チューナーのファンを換装して冷却性能をほとんど落とさずに静音化したわけですが、性能が半分で東芝チューナーチップが1個構成のモデルPX-W3U4はファンレスなので、こちらのPX-Q3U4もチューナーを2〜3 chだけ使用中で東芝チップが2個中1個だけ稼働している時は冷却ファンを回転させなくても良いはず。
PX-Q3U4は1chでも稼働させるとファンが回り出し、EPGデータを受信するだけの時でもファンが回るので、軽い動作の時ぐらいはファンを回転させないようにしてみました。
AliExpressで温度センサー式のPWM制御基盤を見つけたので使ってみることにします。

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本体459円、送料763円なのでとりあえず取り寄せてみます。
これはPWM出力でファンのスピードをコントロールする基盤です。ファンの速度は温度センサーで計測した温度を元に調整でき、温度が高くなると徐々にファン速度を上げる動作をします。基板の電源はファンの5V定電圧を使用できるので、定電圧で回転するファン電源の間に挟むと温度に応じてファンの速度を制御するようなことができます。また、動作温度の閾値を設定できるので、ファンが回転を始める温度や速度アップのステップを調整することができます。
チューナーの東芝チップは同時処理するchが増えるにつれて発熱するので、この基盤を使いPX-Q3U4のファンを温度制御へ改造して負荷が低い時はファンを止めるようにしてみます。
注文して10日ぐらいで届きました。
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届いた基盤 |
前回取り付けたファンの電源ケーブルの途中にこの制御回路を挟みます。制御基盤から1本出ている黒い線が検温のプローブです。
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ファン電源に温度制御回路を挟む |
ファン側の3ピンコネクタは適当なピン端子を差し込むように製作しました。理由はファン用の3ピンコネクタをつけてみたところ、コネクタの出っ張りが邪魔でPX-Q3U4の内部に基板が置けなかったためです。
このように適当な単体のピンと熱収縮チューブを用意して単体のコネクタを作り(今回は車の電装改造に使用したピン端子が余っていたので使い回しました)、
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ピン端子と熱収取チューブで単品コネクタを製作 |
差し込みます。
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ピン部分詳細 |
基板の裏側は他の金属部品に触れてショートするようなことが起きないようにポリイミドテープを貼って保護しておきます。
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裏面をテープで保護 |
幅15mmのテープがちょうど良いサイズでした。
内部の空いているスペースにファン速度制御基板を置きます。
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制御回路を本体の空きスペースに置きます |
温度センサーは発熱する東芝チップの上部あたりにくるようにしています。
本体内部に空間の余裕がほとんどないのですが、大きなチップと干渉しないギリギリの隙間があったのでなんとか制御回路を内部に置くことができました。
B-CASカードを差し込んでも、本当にスレスレですが干渉せずに入りました。
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CASカードと回路が干渉しないように |
本体ケースの裏側にはB-CASカード差し込み口のレールの出っ張りがあるので、これも干渉しないように注意しながら制御基板の設置位置を決めます。
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ケース裏側にはカードのレールがあります |
回路の取り付けができたので、ケースのフタを開けたまま電源を入れて制御基板の設定をします。電源が入っている状態で基板上の押しボタンを押すとしきい値温度やファン速度の設定ができます。
制御の仕様は次の図のようになります。グラフの横軸が温度(℃)、縦軸がファン回転速度PWM(%)です。
設定する値は、ファン回転速度の上昇を始める温度Tu、速度100%で回転する相対温度Td、温度Tu時の初期PWM速度Po (%)です。
例えば、Tu=40℃、Td=10℃に設定すると、Tu 40℃からファンの回転速度が上がり始めてTu + Td = 50℃で最大回転数となります。
Turn off Temperatureは低温時にファンを停止する温度。相対温度でTu - 2℃またはTu - 5℃で設定できます。低温時にファンを停止せずに速度Poで常時回転も可能です。
設定ボタンは1個しかないので、下の説明のように長押しやダブルクリックを駆使して設定をします。
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設定方法 |
上段:Poの設定。シングルクリックで値を上げる、ダブルクリックで下げる。5%刻みで調整。
中段:Tu, Tdの設定。長押しで設定モードに入る。初めにTuを設定。その後に長押しするとTd設定モードへ。さらに長押しすると設定完了。温度は3つのLEDパタンで図のように表記。
下段:Turn off Temperatureの設定。ボタンを押しながら電源を入れると設定モードに入る。[1] Normally Openは常にPoを維持で無停止。[2]Tu -2℃でTuより2℃低い温度まではファン電源OFF。[3]も同様に-5℃
テスト運転して試行錯誤しながら設定値を調整した結果、次の設定値でちょうど良い感じの動作になりました。
Po = 5%, Tu = 50℃, Td = 10℃, Turn off Temperature = -2℃
このしきい値にするとケースを閉じてチューナーを3chフル稼働させて10分ぐらい経つとファンが回転を始めます。回転を始めても低速回転なのでほとんど気になりません。また、1〜2chの利用ではファンは回転しません。チューナーの稼働ch数を増やしていきさらに温度が上がるとファンの速度が上がります。しかし、ファンは音量65%ダウンの静音タイプへ換装済みですし、むしろチューナーをフル稼働させるとトランスコード処理でCPUがフル稼働してサーバPCのファン音の方がうるさくなるのでチューナーのファン音は気にならない状態になりました。
制御基盤はファンをPWM制御するので、PWMのノイズがTV放送波の受信に悪影響を与えないか心配でしたが問題は起きませんでした。
最後にケースの蓋を閉じて、干渉せずにB-CASカードが入ることが確認できれば完成です。
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完成しました |
現在はUbuntuでTVサーバを動かしているので内蔵カードリーダーは使わずに外部のカードリーダーを使用していますが、Windowsで使用する場合はチューナーのICカードリーダーを使用するので実用面も考えられた収まりになっています。
これで見た目と性能はそのままに静かなPX-Q3U4が完成しました。いつも静音サーバを構築することを意識しているのでこれで理想的な環境が完成ました。
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