TrueNASのSMBがWindowsから見えない時の解決方法

2022-10-05
  • B!

TrueNAS サーバ構築

 TrueNASの最も基本的な使い方はSMBサービスで行うWindowsファイル共有。起動は簡単で、設定のWeb画面からSMBをONにするだけである。PCからはTrueNASがネットワークコンピュータに表示され、共有フォルダへアクセスできる。

しかし、場合によってはネットワークにTrueNASサーバが表示されないことがあるようだ。
そのような状態が発生した場合の対処法をまとめておく。

TrueNASサーバがWindowsのネットワークブラウザから見えない時

TrueNASのSMB (NetBIOS) 設定で、SMB1を有効にする。

なお、これで完全に解決しない場合は、次の対処も試みる。

Windowsのネットワークブラウザで表示されるマシンと表示されないマシンがあり、動きがバラバラである場合

ネットワークブラウザに表示されるPCがある一方で、全く表示されないPCが発生したりで安定しないことがある。これは大きく2つ原因と対処法がある

原因1  PC名に日本語を使用している

題名の通り。PC名として使用可能な文字が限定されていので、日本語を使うとついうっかり使ってはいけない文字が含まれてしまうことがある。PC名は半角英数字が推奨。

原因2 マスタブラウザの挙動がおかしい

Windowsファイル共有のネットワーク内ではマスタブラウザという役割を行うPCが存在する。誰がマスタブラウザ役のPCなのかというと、同一セグメントLAN内で一番最初に起動したPCとかサーバ系Windowsとかその時々の環境で動きは変わる。
マスタブラウザの役割は、ネットワーク内のPC一覧を作成し情報提供を行うこと。つまりマスタブラウザが変な動きをしていると、ネットワークをブラウジングした時にPC一覧表示に不具合が起きて一部のPCが表示されないという状況が起きる。

まずは原因を突き止めるためマスタブラウザ役のPCをLAN内から探す。DOS窓のコマンドを使い探すのは少々かったるいので、バッチでやってくれる便利なフリーウェア「
Mam マスタブラウザ検索」を使う。


これでLAN内のすべてのマシンをスキャンすると、マスタブラウザのPCが判明する。

ちなみに我が家の場合、マスタブラウザはパナソニックの液晶テレビEX850だった。
しかもMACアドレスが00:00:00:00:00:00でどうにも動きがおかしい。大丈夫なのだろうか。テレビはディモーラと呼ばれる遠隔からの録画予約対応のため24時間ネットワークにつながっているので、一番先にネットワークにつながった機器がマスタサーバになるというルールに従って挙動しているようだ。
DOS窓でコマンド「nbtstat -a <テレビのIPアドレス>」で確認してみると結果は同じ。

また、sambaがインストールされているLinux, BSDなどUNIX系であればコマンドでマスタサーバを探し出すことができる
% nmblookup -M -

ということで、まともなSMBサービスを提供できないくせにマスタブラウザなどという役にしゃしゃり出ているネットテレビが原因ということがわかった。

このような状況でもTrueNASが常時起動しているのであれば対処が可能で、強制的にTrueNASがマスタブラウザとなるように設定が可能だ。
このスクリーンショットのように、TrueNASのSMBサービスの設定画面でAdvanced Optionを開く。そして次の設定を加える。
  • Local Masterを有効にする
  • os level = 65にセット
Local Masterを有効にすると自分の役割が回ってくればマスタブラウザとして振る舞うようになる。そして、os levelはマスタブラウザになる優先度。通常のWindowsは16、ドメインコントローラーが32なので、65という高めの数値にするとTrueNASがLAN内で優先的にマスタブラウザとして振る舞うようになる。
この設定の結果、今までマスタブラウザとして君臨していた悪の大王ネットテレビは降格となり、不具合も解消されたのであった。

補足:SMBの設定は「/usr/local/etc/smb4.conf」に保存される。

Profile

Profile header image


ampspeed

炎上している開発プロジェクトの火消し屋をやってます。

サイト内検索