GPD Pocket 3はUMPCゆえ、キーボードが使い物になるのか?というところは気になるとこところ。
そこでキーボードの大きさを色々と比較してみました。
GPD Pocket 2
まずは先代GPD Pocket 2との比較。
GPD Pocket 2(左)とPocket 3(右) |
[Q]〜[P] キーの幅を比較 |
アルファベットのピッチはほぼ同じと言えますが、GPD Pocket 2に比べて、GPD Pocket 3はタイプミスがかなり減りました。その理由は、アルファベットキーの横ピッチ間隔が一定だからです。
左側のGPD Pocket 2のキーボードをよく見ると、アルファベットのQ列とA列ではキーのとなり同士の隙間の間隔が異なることがわかります。Aキー段の方が間隔が広いですね。このようにキーピッチが場所によって異なるキーというのは実際にタイピングするとかなり使いづらくタイプミスしやすいです。
一方で、GPD Pocket 3はアルファベットのキーピッチが一定で隙間も少なめなので結構打てます。キータッチも改善しています。先代のGPD Pocket 2は初期ロットのキーの品質が悪く、1ヶ月かかってキーボードの交換修理をしたくらいです。当時に比べると、今のGPDは品質が良くなっています。
Let's Note CF-R8
古いミニノートが手元にあったので、引っ張り出して比べてみました。
[A]〜[L] キーの幅を比較 |
A列のA〜Lキーの幅で比べると、ほぼ互角です。高さ方向はGPD Pocket 3の方が良いくらいです。ということで、GPDのアルファベットキーはミニノートクラスはあります。
PanasonicもGPD Pocket 3もどちらもできるだけアルファベットキーを大きくスペースを取って、特殊キーは小さくという配置ですね。
ThinkPad Xシリーズ
ThinkPad Xシリーズはキーボードのパーツが代々共通なので、Xシリーズとしておきます。今回の比較対象はX280。こちらは12.5インチモニタで、現行のX13は筐体サイズはほぼ同じながら極小ベゼルにより13インチですから、13インチクラスPCとの比較だと考えてみます。
GPDのフットプリントは半分 |
幅方向を比較してみます。
[Q]〜[P] キーの幅を比較 |
高さ方向を比べてみます。
アルファベットキーの3列分を比較 |
GPD Pocket 3の変則サイズキー
GPD Pocket 3はアルファベットキーが大きく、他の特殊キーはとても小さいという変則的なキー配列です。しかし、アルファベットキーについてだけは、幅は10インチコンパクトノートPCに劣らないサイズにできるだけ近づけて、縦方向の寸法はA4ノートと互角です。そしてキーピッチもGPD Pocket 2の反省で一定間隔になるようにして、タイピング重視の配置になっています。
公式の発表はないのですが、多分このようにアルファベットキーのタイピング重視の思想でキーボードのデザインが設計されたと思われます。
ただし、本当の思想はわからない
これまでにGPD Pocket 初代 → 2 → 3 と全ての世代をクラウドファンディングで入手しています。初代のGPD Pocketは、クラファン中に掲示板でキー配列についてGPDが出資者とコミュニケーションをして仕様を詰めていました。
UMPCは小さいゆえに何かを犠牲にしないとなりません。キー配置は必然的に以下どちらかの思想で作らなければなりません。
- 小さなキーを一定キーピッチで並べてミニチュアキーボード風にする
- 変則サイズにして、優先するキーと犠牲にするキーを選別する
GPD Pocketシリーズは後者の変則キーの思想と言えます。GPD初代の時は掲示板で意見を募りキー配置を修正していましたし、GPD Pocket 2の時は日本人ユーザーが多いので全角切り替えキーを設定していました。
しかし、GPD Pocket 3はキー配置についてクラファン中の公式コメントは特になかったと思います(思います、というのは、クラファン後半の掲示板は結構量が多くて全部に目を通していないから)。そのためGPD Pocket 3のキーボードデザインの真相は分かりません。
数字キーはなんとかならないものか
これまでGPD Pocket初代 → 2 → 3と3代に渡りクラファンで手にしています。
こちらはかつての初代と2の比較写真です。
GPD Pocket 初代(左)とPocket 2(右) |
GPD Pocket 2(右)では初代(左)の改善として、小さかった数字キーの大きさがアルファベットキーの90%ぐらいの大きさに改善されていました。実はこの改善はとても良かった点だったのです。しかし、そのトレードオフとしてマウスクリックボタンは犠牲になりとても小さくなりました。この時は、GPD Pocket 2からタッチパネル液晶になったのでマウスボタンを犠牲にしたともいえます。
そして、GPD Pocket 3では数字キーは初代同様に小さなキーに戻ってしまいました。
タッチパッドやクリックキーとのせめぎ合いで、小さくなってしまったのは仕方がない面もありますが。
その代わりに、キーバックライトが追加されたので良しとしましょう。
英語キーボードのこと
GPD Pocket 3は英語キーボードなので使いにくいという意見がレビューで見られます。しかし、私は全く気になりません。なぜかというと、、、
先ほどのThinkPadとの比較写真。
お分かりでしょうか。ThinkPadも英語キーボードを使用しています。デスクトップのMacも英語キーボードを使っています。
先に比較したLet's Noteだけは英語仕様がないので仕方なくJIS配列キーボードを使用しましたが、日常的にUSキーボード使いなのでGPD Pocket 3のキー配列は気にならないというわけです。
英語キーボードを使い続けている理由は、PCの大手アプリケーションソフトウェアのほとんどがアメリカ製なので、ショートカットキーはUSキーボードの方が使い勝手が良いからです。MicrosoftやAdobeはアメリカ製で、ショートカットは基本的にUS配列を前提にしています。Adobeの一部アプリはJIS配列用のショートカットプリセットも用意されていますが。その他にUS配列前提としか思えないショートカットがてんこ盛りなのは、emacsやvimなどの開発エディタ。JISキーボードで開発をしている最中になんか変に使いにくいキーバインディングだなぁと思うエンジニアは、US配列のキーボードを使ってみると使い勝手に納得するはずです。
その他に英語キーボードの良い点は、キーボードの見た目がすっきりすること。ローマ字入力しかしないのにキートップのあいうえお表記は不要なのです。
完全に好みの問題の話に脱線しましたが、GPD Pocket 3のキーはUMPCのサイズを考えるとタイピング入力重視のよくできたキーボードと言えます。
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